【大阪大・東大】エボラ出血熱の新規「不活化ワクチン」 初期臨床試験で安全性と有効性を確認
【大阪大・東大】エボラ出血熱の新規「不活化ワクチン」 初期臨床試験で安全性と有効性を確認
大阪大学の渡辺登喜子教授や東京大学の河岡義裕特任教授らの研究チームは、致死率が最大90%に達する極めて重篤な感染症「エボラ出血熱」に対する新たな不活化ワクチンの初期臨床試験(第1相試験)を実施し、高い安全性と有効な抗体誘導効果を確認したと発表しました。
研究成果は米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に掲載されました。従来の生ワクチンが抱えていた副反応リスクを克服し、より安全性の高い次世代ワクチンの実用化へ繋がる画期的な成果です。
大阪大学の渡辺登喜子教授や東京大学の河岡義裕特任教授らの研究チームは、致死率が最大90%に達する極めて重篤な感染症「エボラ出血熱」に対する新たな不活化ワクチンの初期臨床試験(第1相試験)を実施し、高い安全性と有効な抗体誘導効果を確認したと発表しました。
研究成果は米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に掲載されました。従来の生ワクチンが抱えていた副反応リスクを克服し、より安全性の高い次世代ワクチンの実用化へ繋がる画期的な成果です。
1. 研究・開発の要点:感染性のない「不活化ワクチン」の実現
既存のエボラワクチンは他種ウイルスを用いた「生ワクチン」であり、一定の有効性を持つ一方で、接種に伴う副反応や安全性への配慮が求められていました。
| 項目 | 従来ワクチン(生ワクチン) | 大阪大チームが開発した新ワクチン(不活化ワクチン) |
|---|---|---|
| 仕組み | 水疱性口内炎ウイルス等にエボラ表面タンパク質を発現させる | 増殖に必要な遺伝子を欠損させた変異エボラウイルスを化学物質で不活化 |
| 安全性 | 一定の副反応リスクが存在 | 感染性が完全に皆無であり、製造時および投与時の安全性が極めて高い |
| 治験結果 | 普及済 | 20〜45歳の健康男性29名への投与で軽微な副反応のみ・高抗体価を1年間維持 |
2. 意義と今後の課題
国際公衆衛生インフラへの貢献
コンゴ民主共和国やウガンダ等で断続的に発生し、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を再三宣言してきたエボラ出血熱に対し、日本発のプラットフォーム技術による安全な不活化ワクチンが選択肢として加わる意義は極めて甚大です。
変異株・他株への対応
今回実用化の足がかりを得たのは最も流行の多い「ザイール株」対象のワクチンです。河岡特任教授が指摘する通り、今後は現在流行中の他のエボラウイルス株(スーダン株等)に対応した不活化ワクチンの多価化・迅速開発が次の開発フェーズとなります。
