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2016年 製薬企業の動向

長期収載品の苦戦による国内市場は苦戦、後発医薬品シェアの拡大、業績を左右する新薬の育成。イノベーションを阻害する特例拡大再算定

2015年3月期決算(2014年度実績)によると、東京証券取引所1部上場の主要製薬企業(25社)の売上高伸率は2.4)%増と前年度の2.9%を下回り過去最低水準だった。また主要製薬企業25社の営業利益率も7.6%と前年度の11.2%から3.6%もマイナスで、この数字は2009年から2013年までは毎年1%ずつ、4%の低下であったが、2013年から2014年は2.4%の低下、2015年の3.6%は過去最低の大幅低下である。 この収益悪化、利益率低下は2015年6月に閣議決定した 『骨太の方針2015』 で、後発医薬品の新たな目標値=数量シェアを60%から2020年までに80%まで引き上げることを政府が明確化したことにより、今までの製薬企業の収益源の長期収載品のシェアが一段と低下したことにより過去最低の収益悪化、利益率低下を招いた。 長期収載品のシェアーダウンを革新的医薬品の発売、海外展開でカバーできない製薬企業はますます収益の悪化を招くことになる。

一方、後発品市場は専業大手3社と、新薬系薬局系13社の後発品メーカーの2015年3月期決算(2014年度実績)が発表されたが、後発品メーカーも政府の後発品促進策の追い風を受け、専業3社(日医工、沢井、東和)の売上伸び率は19.3%。専業と新薬系薬局系企業の伸び率は17.7%と順調な業績を上げた。この傾向は2016年も続くであろうが、今後の課題は安定供給・・・生産体制の確保…設備投資…原価率の上昇・・・・内部留保の低下といった将来の不安は拭えない。 今後も長期収載品の不振によるシェアダウンをカバーするため中堅国内系新薬メーカーは自社のジェネリックの販売に力を入れるであろうし、また新薬大手メーカーもグループ会社のジェネリック部門で、自社の長期収載品の特許切れと同時に販売を移管し、またAGを発売することにより国内市場での売り上げ確保に必死で、この例として武田薬品とテバの合弁会社の動向が注目される。

また、画期的治療薬の登場により完治する疾患も出てきたが、その治療薬の売り上げ増に対して、薬価改定ごとの 『市場拡大再算定』 以外に 2016年に新設された 『特例拡大再算定』 は抗血小板薬・プラビックス錠(サノフィ)、C型肝炎治療薬・ソバルディ錠、ハーボニー配合錠(いずれもギリアド・サイエンシズ)、抗がん剤・アバスチン点滴静注用(中外製薬)の4成分で実施されたが、この 『特例拡大再算定』 は新薬開発のイノベーションを阻害するものとして新薬メーカーの経営にも少なからず影響するであろう。

国内での長期収載品の売上ダウンをカバーできても年間販売額が1000〜1500億円で予想の1.5倍以上のものについては、薬価を最大25%引き下げ、▽年間販売額1500億円超で予想の1.3倍以上では薬価を最大50%も引き下げられては、大型ブロックバスターは日本国内では採算が合わず開発そのものを考え直す外資系企業も出てくるのではないか。今年は 『特例拡大再算定』でアステラスのイクタンジや小野薬品のオプシーボが候補として注目される。

2016/4/12